2009年3月18日水曜日

「派遣村」開催

 派遣切りなどで職や住まいを失った非正規労働者を支援しようと、浜松市中区で3月29日、30日の両日、職業相談や食料支援を行う「トドムンド浜松派遣村」が開かれる。司法書士で「村長」を務める榛葉隆雄さん(47)らは16日、緊急宿泊場所の確保などを求める要請書を浜松市の鈴木康友市長に提出した。
労働者派遣法改正に伴い今月末で製造業への派遣が期限切れを迎える「2009年問題」。失業者が大量に増えることが懸念されており、生活保護申請者の支援活動を行う「生活保護支援ネットワーク静岡」(藤枝市)が計画した。
「トドムンド」は「みんな」を意味するポルトガル語。同区中央の東ふれあい公園で2日間、司法書士ら約100人が労働や住まいの相談に応じる。製造業の人員整理で失職したブラジル人は市内で500人以上に上るとみられ、外国人に対応するためポルトガル語の通訳数人も確保した。
年末年始に東京都の日比谷公園で開かれた「年越し派遣村」にちなんだ取り組みだが、市から利用許可が得られず、炊き出しやテントでの宿泊はできない公算が大きい。榛葉さんは「職業相談がメーンになるだろう」として、付近の施設で調理した食べ物を会場に運ぶことを検討している。
16日に浜松市役所を訪れた榛葉さんは、生活保護申請の審査期間短縮や、住居を失った人に緊急宿泊場所を準備することなどを求めた要請書を市に提出。「役場も忙しいことは承知しているが、民間でできることも限られている。市も受け皿を広げてほしい」と話している。問い合わせは派遣村臨時(電)090・1742・2043。 (産経新聞より)


 派遣切りなどで職も住まいも失った非正規労働者らを支援しようと、昨年の東京・日比谷の「年越し派遣村」に似た試みが浜松市を含め全国5カ所で企画されている。厚生労働省の調査によると、失業のピークとされる3月末までに、全国の非正規雇用の失業者は計約15万8000人に達する。各地の主催者は「生活保護と自立支援のためのシェルター(緊急避難施設)が必要だ」と行政に対して支援を求めている。
3月には契約可能期間の切れた製造業で大量失業が発生する「2009年問題」が懸念され、多くの企業の決算を迎え大量解雇も予想される。各地の派遣村は中旬から下旬にかけて、浜松市のほか仙台市、さいたま市、愛知県岡崎市、大阪市で開かれる。
浜松市では、司法書士や弁護士らでつくる生活保護支援ネットワーク静岡(藤枝市)が3月29日午前9時-30日午後3時まで、中区中央のアクト通り東側にある東ふれあい公園で「トドムンド浜松派遣村」を“開村”する。
「トドムンド」は、ポルトガル語で「みんな」の意味。弁護士や司法書士による雇用・労働に関する法律相談、外国人労働者らの相談を受け付ける。通訳の確保など、今後ブラジル人ボランティア団体などと連携して準備を進める予定。
寝泊まりできる設備を整えることも検討しているが、テントを張れるかどうかなど「行政の許可次第」(同ネットワーク静岡事務局)。東京・日比谷の「年越し派遣村」と違い、法律相談が中心となる見込み。公園内で炊き出しも実施するが、火気が使えないため簡単な食料の提供となるという。30日には浜松市役所までデモ行進や「生活保護集団申請」も計画している。
各地の主催者グループの弁護士らは27日、生活保護の積極活用を求める要望書を舛添要一厚労相に提出した。派遣村の村長を務めた「自立生活サポートセンター・もやい」の湯浅誠事務局長は「事態が深刻化する3月に行政がこのまま無策であれば、派遣村の教訓が生かされておらず、政府や行政に国民生活を守る力がないということだ」と強調した。(中日新聞より)