2009年2月20日金曜日

生活保護と住所 住居失っても申請可能

役所で、「住所がないと生活保護を受けることができない」と生活保護の申請を拒否されるケースがあるようです。しかし、実際は住所がなくても生活保護を受けることができます。法的根拠として厚生労働省は

 最低限度の生活を維持することのできない者に対して、住宅扶助を行う(生活保護法第14条)
 申請を受けて保護の要否を決定する。(同24条)
 被保護者が希望したときは、適切な施設に入居させる。(同30条)

などから「住居がなく
ても申請できるのは当然」としています。
また、同省は2003年の「ホームレスに対する生活保護適用」通知で、「ホームレスが保護の相談に来訪した際や、急迫保護を適用する場合は、必要な保護を行う。
(ホームレスの自立を支援する)基本方針に沿わない取り扱いをしない」と法律を補強しています。このように自治体が住居の有無で申請を排除するのは違法行為に当たります。
また、地方の運用基準はあいまいで、当事者が保護申請を一度断られてもホームレス支援団体などの第三者が同行すると、一転して認定される例もあるようです。
住居探しに関しても1月下旬の参院予算委員会で厚労相は「民間のアパートなどの情報も十分お知らせすることに全力をあげる」と言明し、全国への周知徹底を図るとしました。
保護認定で柔軟に対応する東京都以外にも、滋賀県では1月、各市担当者を集め、住居がない人から保護申請があった場合、住所欄に公園など野宿先を記入させ、居宅確保を指導し、敷金などの支給を申請させることを求めました。
また広島市は住居がない人に対し、簡易宿所でも生活保護の住宅扶助費支給の対象にしています。
ですがこんな対応をしている自治体は現在はまだ少数派です。